監修医師情報~山口大学教授 小林誠医師~

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血管病による理不尽な死から
一人でも多く救いたい!
全身全霊で研究に邁進する
山口大学医学部
分子細胞生理学
小林誠教授

悲惨な死を目の当たりにするたび
無力さに身を切られるような日々。
血管病をどうにかしてこの世からなくしたい!

世界が長年研究しても解明できなかった、血管の異常収縮に挑む

何の前触れもなく突然発症して命を奪う「血管の異常収縮(血管攣縮)」は本当に悲惨です。

血管の異常収縮の研究を始める前、私は循環器内科の医師として救急の現場にいました。さまざまな患者さんと出会う中で幾度となく胸が張り裂けそうな場面に直面しました。 朝元気に出かけていったご主人が突然道端で倒れて帰らぬ人となる。残された家族、幼いお子さん…。別れの言葉も感謝も伝えられないまま突然帰らぬ人となるのです。

人としてこんな理不尽な死に方はありません。患者さんの身に何が起きているのかはわかっているんです。わかっているのに助けられない。それが当時の血管病の現実でした。助けられなかった悔しさと無力感で身を切られるような思いでした。

どうにかして血管病をこの世の中からなくしたい。
理不尽な死に直面するたびに、その思いは強くなり、血管病の治療薬を開発するため研究の道に進むことを決めました。

世界の研究者も解明できない謎の現象
それでも患者を見殺しにすることはできない

脳梗塞や心筋梗塞の引き金となり、私達に突然死をもたらす血管の異常収縮。存在そのものは30年以上前からわかっていましたが、そのメカニズムは解明されておらず、患者を救う手立てがありませんでした。

血管の収縮に関係するカルシウムイオンの研究や、血管を広げて血流を促す治療薬をどれだけ投与しても、なぜか異常収縮に限っては効果が見られない。世界の数多くの研究者や医師が血管の異常収縮という謎の現象に頭を抱え、研究から撤退していきました。 その間にも、何人もの患者が命を落としていくのです。

患者に何が起きているのかはわかっているにもかかわらず、どうすることもできない血管病の現実。仕方がないと諦めることは、治療を期待して入院している患者を見捨てるということなのです。

世界初! ついにカルシウムイオンの測定に成功

カルシウムイオンが血管の収縮に関わるという生物学の大原則は、医学界でも当然、常識でした。異常収縮が起きているときは、カルシウムイオンの量が急激に増えているだろうと思い、カルシウムイオンの測定から取り掛かることにしました。ところがその「測定」には今まで誰も成功したことがありませんでした。
当時の上司から「カルシウムイオンを測るなんて、できるわけがないだろう?君はできるのか?」と言われましたが、「できません」と答えるしかありません。私は研究をはねられ、自分の空いた時間で、血管の異常収縮を解明したい一心で勝手に研究を始めました。
 
そして、1985年、世界で初めて正常収縮をコントロールするカルシウムイオンの測定に成功しました。これは「Science」にも掲載され、「nature」の表紙も飾ることとなりました。

学会から称賛され有頂天になっていた自分を変えたもの

カルシウムイオンの測定によって学会で称賛され、私は有頂天になっていました。人を救うための研究だったのに、いつの間にか、どんどん更なる称賛を浴びるための、世界初になるための「研究のための研究」になっていたのです。
 
そんな自分の意識を変えたのは、当時救えなかった患者さんの家族からの一通の手紙でした。
 
――「もう救えない」と言っていた上司に対して「何か治療法があるでしょう!」と大声でケンカをして、当時の治療方針と闘ってまで父と向き合ってくださった姿を忘れません。ありがとうございます――
 
私は号泣しました。 ハッと気づかされました。研究のための研究、賞賛のための研究はやってはいけない。患者を救うための研究なのだ。 私は初心を思い出し、患者を救うために異常収縮の原因分子を徹底的に突き止めようと決意しました。

生物学の大原則を覆す現象
解明には100年以上かかるかもしれない--それでも、患者を救いたい

血管の収縮に関わらず、細胞が動くとき、カルシウムイオンが関わるというのが生物学の大原則。医学界の人間であれば誰もが知っている常識だったのです。しかし、血管の異常収縮の際にカルシウムイオンを計測してみても、まったく変化がなかったのです。
 
つまり、「血管の異常収縮」はカルシウムイオンとは全く関係のないメカニズムで起きていたのです。生物学の常識を根本から覆す異常な現象でした。
 
実は、このカルシウムイオンが生物の細胞を動かす大原則の解明には、100年以上もかかっているのです。異常収縮のメカニズムという難題を解明するには、同様の年月がかかるだろうと誰もが研究を諦めました。
 
どんな方法で異常収縮のメカニズムを解明すればいいのか、何年かかるのか。 私は、答えを見つけられる保証もない中、100年以上かかるかもしれない途方もない戦いに、患者を救いたい一心で、研究を続ける覚悟を決めました。そして、山口大学医学部の自己開発コースの学生6名と世界の研究者が諦めてしまった「血管の異常収縮」の解明に一心不乱に取り組みました。

20年の歳月をかけ血管の異常収縮の抑制成分
「EPA」を突き止めた!

そして2000年、ついに原因物質「SPC」と、血管を収縮させる細胞内の異常分子「Fyn」の2つを発見。世界で初めて「血管の異常収縮」のメカニズムを解明したのです。解明後、すぐに治療薬の開発を目的とした研究をはじめました。 異常収縮の発端となるSPCを抑制することで、発症を予防できると考えました。
 
そこで、まず、脂質であるSPCを抑制するのは脂質だろうという予測のもと、あらゆる油という油をモデル動物の血管にふりかける実験を繰り返しました。 その結果、魚油に含まれる「EPA」によって血管の異常収縮の原因物質であるSPCを抑制できることを発見したのです。2002年、血管の異常収縮のメカニズム解明から2年後のことでした。
 
当初、実験する油のリストの中に「EPA」はあったのですが、健康にいい成分としてあまりにも有名で、EPAは違うだろうと決めつけ、後回しにしていました。しかし、ありとあらゆる油を試すうちに、不飽和脂肪酸が微妙に効くことがわかってきました。そして、一度はスキップした不飽和脂肪酸のひとつであるEPAも試してみたのです。
 
その結果、EPAがSPCを劇的に抑制してFynの膜ラフトへの移動を止めるだけでなく、すでに膜ラフトに移動してしまったFynをはがして元に戻すことができることも発見しました。 まさか、身近な食品であるEPAにこんな大それた働きがあるとは!と、大きな衝撃を受けました。そして、EPAが食品成分であったことは幸運でした。予防を目的とした飲用が可能で、このことが大きな価値を持っているからです。

起きてからでは遅い!予防食品の開発にすべてをかける

血管の異常収縮は、いつ誰に起こるかわかりません。だからこそ、予防が最も大切なのです。 医薬品は病院で診断されて初めて処方され手に入れられます。病気になっていないうちから、処方してもらうことはできません。
 
血管の異常収縮は前触れなくやってきて突然死を引き起こします。これでは、患者を救うことができません。 しかし、食品であれば病気になる前でも、日ごろから飲用することができるのです。 幸い、血管の異常収縮の原因物質を抑制するのは、食品成分のEPAです。 私は予防食品の開発にすべてをかけました。
 
しかし、大発見もつかの間、私は2つの壁にぶち当たりました。 1つは、EPAは立体構造体でなければ抑制作用が激減すること。もう1つは、EPAを体内に吸収できない人がいるということです。 この2つの壁を打ち破るべく研究を続け、血管の異常収縮を予防するための「小林式EPA」を開発したのです。

健康な人でも日ごろから血管病の予防を

異常収縮のメカニズムすらわからず、何年かかるかわからない研究でしたが、ついに血管病から患者さんを救うための予防法が完成したのです。

私は、一人でも多くの人に血管の異常収縮、血管病の恐ろしさを知っていただき、日ごろから予防を心がけていただきたいと心から願っています。

小林教授略歴

九州大学医学部卒業後、同大学循環器内科入局

小林教授は九州大学卒業後、すぐにアメリカでの医学の研鑽をこころざし、米国医師国家試験(ECFMG)にも合格。渡米準備をしていました。
しかし、教授に呼ばれ「私達が話しているこの短い時間にも血管病による突然死で何名もの人が命をなくしている。それを君は救おうとは思わないのか?」という言葉に胸を打たれ九州大学への入局を決意。これが、その後の医者人生を決める選択だったそうです。

世界初、血管の収縮に関係するカルシウムイオンの測定に成功

「血管の異常収縮」の要因が正常収縮を起こす血管平滑筋細胞内のカルシウムイオンにあるという従来の説を踏襲し、カルシウムイオンの測定に世界で初めて成功。世界的な学術誌「Science」(※1)にも取り上げられ、医学界で注目を集めました。

渡米後、ペンシルベニア大学、バージニア大学で救急医療とともに血管病の研究

渡米後、4年間救命医療に従事するかたわら、血管病を研究。臨床医として立ち向かうも、特効薬・予防治療がありません。一人でも多くの血管病による突然死を防ぐため研究医として、血管病に正面から向き合うことを決意しました。

九州大学助教授を経て、山口大学医学部教授へ就任

九州大学医学部付属心臓血管研究施設で助教授として、血管病の研究に邁進する小林教授は、山口大学に生理学の教授として招聘されました。

小林教授の功績

「血管の異常収縮」のメカニズム解明に成功

血管の異常収縮はカルシウムイオンによって起こるのではなく、SPCによって起こることを世界で初めて解明。医学界からも大発見と称賛され、後に医学雑誌「Circulation Research」(※2)に掲載。2度に渡って編集者による特集記事を組まれるなど、医学界でも稀な高評価を受けています。


EPAに「血管の異常収縮」の抑制作用があることを発見

メカニズム解明後、血管の異常収縮の原因物質となるSPC抑制する成分を研究。シス体構造を保ったEPAに抑制効果があることを発見。
血管の異常収縮を抑制する成分の発見は、医学界のみならず、メディアでも多数紹介されました。この偉業は医学誌「Circulation Research」(※3)に3度も掲載されました。



NEDO助成対象事業に採択される

シス体構造を保ったままの「小林式EPA」の研究開発が経済産業省所管の出資機関NEDO(※4)の助成対象事業に採択されました。食品成分が助成の対象になることはほとんどなく、血管の異常収縮による突然死の予防に唯一効果がある食品として高い評価を受けたといえます。

イノベーション・ジャパン 2013
NEDO支援先企業・研究者プレゼンテーション風景

NEDO支援先企業・研究者プレゼンテーション風景_画像

「血管病を予防する機能性食品の技術開発と商品化」をテーマにNEDO支援先企業・研究者として小林教授が講演



発明協会“会長奨励賞”を受賞

血管の異常収縮に効果のあるEPAの発見と体内吸収の効率化の研究が評価を受け、公益社団法人発明協会の会長奨励賞を受賞。
技術者・研究者・開発者を顕彰する歴史ある協会で最高位の賞を受賞されました。

公益社団法人発明協会の会長奨励賞を受賞

公益社団法人発明協会の会長奨励賞を受賞_画像



血管病予防食品として2つの特許を取得

血管病予防のための食品として小林式EPAの独自開発、唯一の効果が認められ「血管病予防に効果を有する食品組成物(特許第5186679号)(※5)(特許第5504405号)(※6)」の2つの特許を山口大学から出願、取得しています。
小林式EPAの研究成果「シス体構造を保ったEPA」「EPA吸収効率を上げる成分」が、唯一の効果を持っている証明にほかならないと言えるでしょう。

シス体構造を維持した食品開発による特許

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EPAの吸収力を向上させる開発による特許

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脚注

小林教授監修ページ